アンリ・マティス《イカロス》についてーボードレールとの関係性を主としてー

§1 趣旨 アンリ・マティスによる《イカロス》は、1947年に自身が作成しパリのテリアード社より印刷された絵本『ジャズ』に収められた画が有名であるが、1946年と1943年に同じくイカロスをテーマとした切り絵作品を残している。本レポートでは、《イカロス》…

けったいな

何の仕事をしているか分からないけど、羽振りの良い、けったいな親戚のおじさんが世の中に必要な気がしてきている。

神棚

伊勢で神棚を買った。 社務所の男性曰く、初期不良の場合以外では返品できませんとのこと。 世俗的だけれども消費者とのトラブルを避けるために言わないといけないのだろう。 また御祈祷済みなので、すぐに使用できる状態であることも説明してくれた。

逗留

今年の4月に転職した。 転職する前に、浄土真宗本願寺派の僧侶と話をする機会があったので、転職の相談を持ちかけてみたことがある。 この僧侶の方とは、何度か仕事を一緒にさせていただいたこともある。 3億円あったら何をしますか。僧侶にそう聞かれた。 …

窓について2

子供の頃から、窓の外を眺めるのが好きだった。 私は横浜の小学校に通っていて、晴れた日には教室の窓からランドマークタワーが見ることも出来た。 ここにいながら、ここに意識がない状態は心地いいものだと思う。 自分の家のベランダで室外機に腰をかけて遠…

窓について1

夜。 窓を閉め忘れて、夜が部屋に入ってくることがある。 夜が部屋に入ってくると、非常に眠くなる。 朝。 窓を開けると清々しいのは、昨晩の夜を逃してあげることで目が覚める。 このような大いなる循環が世界にはあることをたまに思い出すといい。

硝子

硝子があることに気づいた。 それを通じて起きる歪みや反射でしか、それを知ることが出来ない。 鈴木大拙曰く。 己れは己れだけで知れるものではない。己れならざるものがあるので己れもまたよく認知せられる。 思うに、認識する主体としての自己の自覚。そ…

フラワーベース

家にいる時間が増えそうなこの頃だから、花を置いてみた。 何をするわけでもなく、フラワーベースに目をやれば、生き物がひとつ。

待つこと

待つことが出来ないのは、待つことの怖さにある。 このまま、待っていても何も自分だけ得られないのではいか。 自分よりもはやく、誰かが大切なものを持っていくのではないか。 そういう気持ちが、待つことの怖さを増幅させ、痺れを切らして動いてしまう。 …

煙草

煙草は口実とその先にある偶然のために吸っている。 もし辞めたら、ベランダに出る口実がなくなる。 夕方、山に流れる雲を眺めたり、夜景を見て、考えに耽ることもなくなる。 吐き出した煙を目で追った先にある景色に気が付くこともなくなる。 世に無駄だと…

日の名残

‪窓際にソファを置いて、夕日を眺めて珈琲を飲みつつ、仕事しようとしたけど、全く手付かずだったと後悔をするのも、いい日曜日の過ごし方だ。 そうこうしてるうちに、外は真っ暗になって、もう取り返しがつかなくなる。 日が出ているうちは、まだ何か取り戻…

区切りとは

時間に区切りを見出すのは、人間にしか出来ない。 死という終わりを知っているから、その中に区切りを見出すことが出来る。 死を認識するとは、即ちこれ以降を認識出来ることにある。 ただ殆どの人間は、その区切りが何のためにあるのかを知らない。 仏道曰…

哲学するとは何か

殊に哲学に関する批判は、人批判性を多少なりとも含んでしまう。それは哲学が理論の提示では、哲学しているとは言えないように、自分の生き方が哲学しているかを考える際には重要になるからだと思う。だから生き方に関する批判的性質が少なからず含まれてし…

枯葉

部屋で本を読むことにも飽きてきたので、近所の自然公園を散歩した。 夕暮れになって、陽の光が地面の落ち葉に反射して綺麗だった。最初は何が光っているのか、分からなかった。ずいぶん長い間、地面の枯葉を眺めていた。

本屋と図書館の違い

本屋と図書館の違いについて考えてみる。 なぜそのようなことを考える至ったのか。 名古屋の栄駅にある丸善に立ち寄ったことがきっかけではあるが、 店内は綺麗で整然としているが、全く本屋へ入った時の冒険心というような気持ちを感じない。図書館でも見て…

スティーブンスとイチロー

私どものような人間は、何か真に価値のあるもののために微力を尽くそうと願い、それを試みるだけで十分であるような気がいたします。そのような試みに人生の多くを犠牲にする覚悟があり、その覚悟を実践したとすれば、結果はどうであれ、そのこと自体がみず…

何か性を求めて

いわゆる自分探しの旅というもので、自己についてよく分からないまま探求するせいで彷徨っている方が散見出来る。何かを探しているという状態。無くし物が何か分からないまま失せ物を探している。もしかしたら失くしていないかもしれないということも十分に…

レバレッジで見る世界

レバレッジとは簡単に言ってしまえば他人のエネルギーを利用して自分のエネルギーを増加し目的を達成する行為だと思っている。 レバレッジは普段日常の中に溢れている。手元にあるリソースでは普通手に入れられないチャンスを手に入れる事ができる。奨学金な…

流れ星

流れ星はなかなか見つけられないが、実は見えてないだけで結構あるらしい。 流れ星が多く見られる場所に移れば願い事も叶いやすくなるかもしれないが、まさかこの環境こそが問題だと気付ける人がいくらいるだらうか。

海は怖い

海は怖い。絶えず大きな力が働いていることが、波打ち際に居ると分かる。 風が吹けば波によって何の躊躇なく引き摺り込まれるだろうし、人間がいくら居ようが御構い無し。そういう、機械的に殺意のない現象がふと怖くなる。

初詣とくじ

初詣に行った。大吉だった。 小銭が無かったから、借りた金でひいたクジだった。この場合、大吉は君の運勢なのか、私の運勢なのか非常にややこしい。 この際、ふたつに分けてお互いに吉ということにしないか。

角みと丸み

冬は夏よりも物が角ばっている気がする。 言ってみれば、夏より冬の方が包丁の切れ味もいいかもしれない。 刺すような寒さという。刺すような暑さというものは聞いたことがない。 冬というものは鋭利なものなのかもしれない。 だから、影響されて存在する物…

富士の絵

オフィスの窓から遠くの方を毎日眺めているが、実際にそこへは行ったことがない。そんな場所は多いと思う。電車に乗って車窓から毎日見る場所とか、色々。 いざ、じゃあその場所へ行こうと思うと途中で壁にぶつかって、それが絵に描いた背景画だということに…

揺れ

電車に乗る。揺れる。倒れそうになる。 この時、無力さを感じる。 ぶっきらぼうに人を運ぶこの鉄の箱に身体を預けなければいけないことに。

承認欲求の包括する条件について

承認欲求が包括する条件を整理してみると、承認欲求それ自身がまず自分が認められたいという欲求であることの以前に他者を認める行為であることが言えると思う。つまり、承認欲求が満たされるには、だれに承認されたのか、どのコミュニティの中で承認された…

無くし物

先日、買ったばかりの物を買い物袋に入れたまま、どこかに置いてきてしまった。鋳物の小さな灰皿である。服を試着した店に置いてきてしまったのか聞いてみたけれども見つからなかった。無くしたことは悔やまれる。 考えてみると、無くし物はどこで無くしたの…

非日常性は日常性の中に

昼間、車内の電気を消した小田急線が走っていたことがある。空調も止められている。車窓を開けて風を車内に取り込む。テレビは日本地図が赤くなったり黄色くなったりしているものが映るかコミカルなキャラクターが踊っているだけだった。コンビニに置いてあ…

一人の三次会

忘年会の季節がやってくる。 23時頃に、スーツ姿の人間が居酒屋の前でたむろしている。 次に行こうとも、もう帰ろうとも、言うことができない参加者たち。誰かについていけばいいと思っているからいつまでたってもだらだらと。 酒を飲むとコーヒーが飲みたく…

足を投げ出して座ってみろ

足を投げ出して座ってみる。非常に心地が良いものだ。 平日はいつも足を折りたたんでいるから、骨が喜んでる。 足を真っ直ぐにして座ることすら、いまは忘れがちだ。 人間は足を自由にして、座っていい生き物だということも忘れてしまう。

所有物と管理能力の関係について

結論から言うと・・・ ・個々人が管理出来る所有物の量と実際の所有物の量が合っていないと物が片付けられなくなっていくということ。・所有物の管理には「時間」と「空間」の要素が必要になるということ。これらを総じて管理能力と呼びたい。・自分の管理能…