豆腐屋


昔、夢の中で女を殺したことがある。私は夕暮れ時、和室の真ん中で立ち尽くしていた。窓からは金色の光が差し込んでいた。すると、襖の隙間から女が私を覗いていた。私は急に、この女を殺さなければいけないと感じた。私は自分の部屋のように、机の引き出しを開けて包丁を取り出した。女はそれを見ていたのか、逃げ出した。階段を上がったようだった。私は女を追いかけて、階段を上がった。二階で女を追い詰めた。二階も和室でさっきよりも強く夕日が差し込んでいた。畳が麦畑のように輝いていた。私は女を刺した。まず、布を突く感触があった。そこでまた、力を入れた、皮に突き当たった。皮一枚、ぷつっという感触の後、刃は力のままに女の脇腹に刺さっていった。女はすぐには倒れなかった。一瞬何もなかったかのように見えた。しかし、女の脇腹から赤い点が白い服に浮き出ると、すーっと、その赤い点は膨張して、女は倒れ込んだ。畳の上に、血が規則的に流れていった。しばらくまた私は立ち尽くして、輝く畳と窓から見える夕暮れの街を見ていた。豆腐屋がラッパを鳴らしている。