お祭り

お祭りは好き。でも、お祭りは寂しい思い出しかない。
お祭りみたいな、にぎやかな場所は一層、自分がひとりぼっちなんだと知らされてしまう。
屋台で買った、ブルーハワイの安っぽいかき氷の味も、もう思い出せない。
町内会の小さなお祭り。夜に友達に会える新鮮さ。ただ、公園から離れた自動販売機に一緒に行くだけでも楽しかった。
明るい自販機の前を小さな虫が飛び交っていた。ぬるい空気がなんだか記憶にある。確か、午後の紅茶を買った気がする。ジュースを飲みながら、階段に腰をかけて、同級生の女の子を眺めていた気もする。
そして、そういう夜は、いつまでも頭の中に喧騒がこだまして、眠れない。頭の中がざわざわする。