人体展雑感
国立科学博物館で現在特別展示中の人体展に行ってきた。
頭では分かってはいながらもあらためて人体の複雑な構造に嘆息する。
内臓等の標本も展示されており、心臓は実際には結構大きいのだと思った。
脳は人気で並んでいた、肺はあまり並んでいなかった。
脳の方が人気があるのだろうか、わたしは肺を見た。
人間の臓器だけではなく、諸動物の臓器も展示されていた。
おおむね体躯のサイズに比例する事は分かったが、キリンの胃には驚いた。
子供くらいならキリンの胃袋で暖をとることも可能だろうね。
この人体展で分かったことは人間の身体はよく分からないけど動いているということだろうか。そして動かす仕組が考えている以上に精密に理屈で動いているということ。
身体のシグナルという言葉がある。
疲れ過ぎたら身体は休めと言う。
怒り過ぎたら身体は落ち着けと言う。
こういう時は警告を無視しない方がいいと思う。
自動車がどう動いているのか知らない人間でも、給油のランプが付けばガソリンスタンドに立ち寄る。
身体のシグナルはこう言うものの類で、身体は操縦者が自身について何も知らない素人だと知ってい流のではないか。だからサインを発して気づいてもらおうとする。
どのような仕組みで動いているのか分からない。
警告には従わない。
このような身体の使い方は一種の暴走にも思えてくる。
帰り道に人間を見ているといつもより尊く見えた。
どの人間も繊細な仕掛で動いていることがなんだか不思議だった。