非日常性は日常性の中に

 

昼間、車内の電気を消した小田急線が走っていたことがある。空調も止められている。車窓を開けて風を車内に取り込む。テレビは日本地図が赤くなったり黄色くなったりしているものが映るかコミカルなキャラクターが踊っているだけだった。コンビニに置いてあるのはよく分からない酒の缶がすこし。トランプは充電不要の娯楽だと気付いたこともある。

非日常性を夢想する、この程度の非日常性を夢想できる人がどれだけいるか。日常性から逸脱しない非日常性こそが、人間を魅了してしまう。もはや、不便さが、非日常性なのだ。